『AKB48の上京物語』
■川本紗矢
2013年11月10日の「第1回AKB48グループ ドラフト会議」において、AKB48チームBに第2巡目で指名される(入札は5チーム競合で)。北海道野付郡別海町出身。2014年、38thシングル『希望的リフレイン』でシングル表題曲選抜メンバーに初めて選ばれる。
川本紗矢「上京物語」アイドルの世界は毎日が初日
先日、故郷の北海道の友人から、もう雪が降ってるよ、と連絡がありました。
毎年、やわらかい雪が積もります。そんな便りを耳にすると、AKB48に入ることが決まってから、もう1年が経つんだ、としみじみ感じます。東京の生活にもだいぶ慣れ、電車にも乗れるようになりました。
生まれ育った北海道の町は電車が通っていませんでした。草原が広がっていて、人よりも牛の数の方が多い。馬、キタキツネ、ネコ……、動物がたくさんいました。道路がまっすぐのびていて、あちこちに森がいっぱい。春休みや夏休みには家族と自然の中でキャンプをしました。
AKB48を知ったのは小学6年生の頃。 前田敦子さんが好きでした。
アイドルだけではなく被災地支援活動もしているので「私も入りたい」と思うようになりました。
中学2年生の時にオーディションを受けることになりました。父も母もどうせ合格しないだろう、と家族旅行をするような感覚で、東京に連れて行ってくれました。
今まで都会と言えば修学旅行先だった札幌しか知らなかったので、東京の街の大きさに驚きました。
2次試験に合格し、さらにもう一度、東京へ。 だけど、3次審査は緊張している間に終わり、不合格。がっかりして地元に帰りました。
母からも「東京は遠いから、もう受けられないよ」と言われ「夢が終わった」とショックでした。
普通に学校生活をしていた昨年秋、AKB48のドラフト会議があると知りました。 グループの各チームが自分のチームに欲しい候補生を指名するイベントでした。
ただ候補生になるには東京でレッスンを受けなくてはなりません。
家族は全員、応募に反対しました。それでもあきらめず、
私は何度も母に「受けたい!」と言い続けました。
最後は母が折れて、「2人だけの秘密だよ」と言ってくれたので、応募しました。
1次審査に合格。
父は反対しましたが、「私の夢はアイドルになることだから」と本気を伝えると、
「やってみな」と認めてくれました。
指名のあいさつに実家まで来て下さいました。
島崎さんは「空気がきれいな場所だね」とほほ笑みました。
「劇場で公演がしたいんです」と伝えると、
柏木さんが「楽しいよ」と言って下さいました。
柏木さんは今もMCが苦手な私のために「日常生活でおもしろいことがあれば、メモしておくといいよ」とアドバイスしてくださって、私は携帯に日々あったことをメモしています。
まだ、おもしろいと言える出来事はないのですが、
先輩と大好きな牛タンを食べて、楽しかったとか書き残しています。
チームBの曲「初日」の歌詞が好きです。
憧れのステージに上がるために
厳しいレッスンを乗り越える日々がつづられています。
先日、ミュージカル「AKB49」に出演したとき、
主演の宮澤佐江さんが「初日」の大切さを語ってくださいました。
「毎日、違うお客さんが見に来てくれています。だから毎日、初日の気持ちを忘れないで」と。
ステージにしてもテレビにしても、アイドルの世界は、毎日が初日だと思います。
初日に臨む気持ちを忘れないようにしています。
http://www.asahi.com/articles/ASGD97RMQGD9UCVL02K.html
○・・・何か牧歌的な雰囲気のするコラムです。70年代の“フォーク”の世界のような空気感がして懐かしい。
松田聖子でもない中森明菜でもない、もっと前の太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」といった雰囲気が漂うAKB48川本紗矢さん。
地方の小さな町から大都会に出てきて、「ちゃんとごはんバランスよくたべてる?」と親心をくすぐられるよなメンバーです。昔だったらゆで玉子やみかんとかの差し入れがありそうな・・・
川本さんは、人気急上昇中です。なんか嬉しい。